「結婚しないと老後は孤独」という発想の落とし穴 結婚関係なく「3人に1人は60歳で独身」という現実

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このランキングを全国平均値との差分で独身率の高いプラスを赤系、マイナスを青系で色分けするとエリアごとに興味深い結果が浮き彫りになります。

婚歴有の還暦独身率が高いのは男女ともにほぼ近畿から先の西日本に集中し、反対に低いのは東日本に集中しているという点です。

離別と死別の独身者といっても60歳時点では男女とも死亡率は少ないので、これは離婚によって独身となった割合に大きく影響されます。実際、都道府県の2020年の特殊離婚率との相関を見れば、男性0.4976、女性0.4231と男女とも正の相関が見られます。東日本の中で北海道と青森だけ独身率が高くなっているのも、それらふたつの地域の離婚率が高いことで説明ができますし、滋賀や福井の独身率が低いのもそもそも離婚率が低いからと言えます。

独身率に男女で10%ポイントもの差がつく背景

では、離婚の影響が大きいとしたら、男女で離婚率は同じはずなのに、なぜ独身率に男女で10%ポイントもの差がつくのかと思うかもしれません。が、離婚しても再婚はします。そのうえで、再婚率は男性のほうが高く、再婚相手は初婚女性を選ぶ割合が高いからです。

私はこれを「時間差一夫多妻制」と呼んでいますが、離婚した男性が再婚のたびに初婚女性と結婚することが多いために、結果として「未婚男性余り現象」が発生します。冒頭で書いた通り、離婚した男性は未婚男性並みに孤独耐性がない寂しがり屋ですので、「離婚後の一人ぼっち」に耐え切れず再婚活動にいそしむのでしょう。逆に、四国や九州沖縄地方の女性は、離婚後は一人で生きていけるたくましさがあるのかもしれません。

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