「結婚しないと老後は孤独」という発想の落とし穴 結婚関係なく「3人に1人は60歳で独身」という現実

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2020年の国勢調査において、生涯未婚率(50歳時未婚率)は、男28.3%、女17.8%となり、これは国勢調査の始まった1920年以来過去最高記録となりましたが、未婚だけではなく離別や死別も含めた独身の割合についてはあまり話題になりません。

そこで今回は、還暦独身率(60歳時点における未婚離別死別合計の独身率)について計算してみます。計算式は、50歳時の未婚率を計算する生涯未婚率同様、55〜59歳の独身率と60〜64歳の独身率を平均したものとします。

それによれば、2020年の国勢調査のデータでは、還暦独身率は男性29%、女性は27%となりました。これは生涯未婚者も含めた数字ですが、未婚者を除外した婚歴有(離別死別)のみ独身率で見ると、男性10%、女性17%と女性のほうが上回ります。男女の数字の差異については後述します。

まとめると、結婚しようがしまいが、男女ともほぼ3人に1人は60歳の還暦を迎える時点で独身であるということであり、たとえ結婚しても男性の1割、女性の2割は還暦祝いを一人で迎えることになるかもしれないのです。

還暦独身率の長期推移を見ると…

この還暦独身率と婚歴有還暦独身率を1920年からの100年間の推移で示したのが以下のグラフです。

実は、大正時代の1920年から戦後復興期でもある1950年代までは、還暦独身率は男性で約2割、女性で4割強もありました。この時期は皆婚時代で生涯未婚者はほぼなく、離婚も少なかったので、そのほとんどが死別による独身者が多かったようです。

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