東芝の経営を混乱させている「内紛」とは?

不正発覚の発端は2月の監視委検査だった

主にパソコン畑などを歩いてきた西田相談役。米ウエスチングハウスへの買収を主導した(撮影:梅谷秀司)

また株価についての質問も多く聞かれた。株価は問題発覚前の3月下旬から4月上旬には500円台で上下。前2015年3月期期末の無配と、業績の発表が取り下げられることが分かった5月11日には、ストップ安の403円まで下落した。足元は429円まで回復しているものの、ある株主からは、「500円くらいのときに買った。株取引は自己責任なので、全額保証してくれとは言わないが、気分的に納得できない」と怒りの声もあった。それに対して法務部担当の牛尾文昭・執行役上席常務は、「不適切会計処理の原因は第三者委員会の調査中。結果を受け止め、経営に反映したい」と答えた。

 西田厚聰相談役と佐々木則夫副会長の確執について、言及する株主もいた。「週刊誌などでトップ同士の内紛が報じられている。私は内紛があると思っている。それが続く限り、そういう地盤が続いて再発するのではないか」と、意見表明した。

両者の確執は2013年2月、田中新社長の就任会見で表面化。西田氏(当時会長)が「固定費を削ったことで売上高がどんどん落ちている」と言えば、「利益を出しているので文句を言われる筋合いはない」と佐々木氏(当時社長)が応じ、トップ同時が公然と批判し合ったのは、有名な話だ。指名委員会の委員長を務める谷野作太郎・社外取締役は「週刊誌は読んでいるが、必ずしもそれに同意しない。2人の会社の将来を思う情熱が、ああいう形になったと思う」と弁明した。

すでに分かっている不適切会計が行われた時期は、田中社長時代だけではなく、佐々木社長時代から続いている。今回の株主総会には、佐々木氏も副会長として出席していたが、発言は一切なかった。

すでに焦点は9月からの新経営体制へ

インフラ部門に通じていた佐々木副会長。経済財政諮問会議議員など政府要職も務めた(撮影:梅谷秀司)

全てが批判的な声ではない。「あなたはついていなかった。社長になった時期が悪かった」、「田中社長は自分の問題として考えているが、他の役員は他人事として考えている」などと、田中社長を擁護する声が一部あったのも事実だ。

株主総会終了後も株主の興奮は収まらない。東芝株を30年間保有しているという東京都在住の男性(64)は、「『第三者委員会に任せている』との発言が多く、問題から逃げている」と興奮した様子で語った。さらに、「新しい経営者は外部から連れてきて、新生東芝を立ち上げないと、会社の体質は変わらない」と続け、すでに新経営体制に目を向けているようだった。別の60代の男性も「役員の若返りが必要。現場を知っている40代~50代の人を起用すべき」と話した。次の焦点は、新たな経営陣が並ぶとみられる、9月の臨時株主総会だ。

ここで株主へ問題について説明を果たし、納得させるような経営体制となることが求められている。田中社長を含め、不適切会計があった当時の経営者がどう責任を取るかが、東芝の今後の行方を決める。

 

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