変貌するエイベックス、ヒット不在でも稼げる秘密

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 リッチコンテンツを武器に獲得した会員は、ヘビーユーザーへと誘導する。たとえば「キス×kiss×キス」という番組は、キスシーンだけを集めた番組。20代OLの支持を集め、DVD化までされた。「視聴者がどんな気持ちになるか、感覚ではなく理屈を突き詰めている」(村本取締役)。会員の年齢層や男女比を細かく分析して、番組作りに反映させる。常時100のコンテンツをそろえ、毎月5~6本の新作を入れる。

巧みなマーケティングで会員は160万人まで増加し、11年度は黒字化に転じる見通しだ。スマートフォンの普及による、携帯電話の大画面化も追い風に。会員目標は220万人だが、「350万人を目指したい」(村本取締役)。将来的には広告媒体としての可能性も探っている。

音楽で培ったコンテンツ作りのノウハウは、映像分野以外でも形になりつつある。目下、力を入れるのが「360度戦略」。異業種とのコラボレーションで、アーティストが音楽以外の分野でも活躍できるよう後押ししている。

たとえば東方神起は、セブン−イレブンで弁当や菓子をプロデュース。歌手のhitomiも、子供服チェーンの赤ちゃん本舗との共同開発でベビー服ブランドを立ち上げている。一つひとつの案件は中規模でも、積み重なればライセンス収入は膨らむ。「一芸に秀でた人がアーティストであり、その人から発信されたものが付加価値のあるブランドとなる」(竹内CFO)。

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