「人の優しさを見つける」ため、飯舘村の子どもたちに三菱UFJリースがカメラ200台を贈る
夏休み直前の7月21日、福島県飯舘村の子どもたちはデジタルカメラのプレゼントを手にした。贈り主は、大手総合リース会社の三菱UFJリース。村役場を通じ、ニコン製デジタルカメラ200台が子どもたちに贈られた。
福島県飯舘村では、東電福島第一原発事故に伴う計画的避難地域の指定を受け、ほとんどの村民が村を後にし、福島市、二本松市、伊達市などに移り住んだ。しかし、その間、住居探しや就職活動などで多くの村民が精神的な苦悩を味わってきた。この先も、第1次の避難先から、仮設住宅への引っ越しが控えている。生活の安定はまだ先とならざるをえない。
厳しい環境に直面している点では、子どもたちも同じだ。多くの子どもたちが転校や遠隔地からの通学を余儀なくされ、震災後4カ月にわたって、不安な日々を送っている。
そうした中で、菅野典雄村長は数年前に実施した子どもたちの写真会「人の優しさ見つけた」を、この夏休みに再び実施したいと考えた。
人の優しさをあらためて見つめる意識を持たせることによって、ともすれば、避難生活の中で荒れがちとなる子どもの気持ちをケアできるのではないか、と考えたからだ。その菅野村長の思いを伝え聞いたのが、三菱UFJリースだった。1学期の終業式が行われる7月21日までに間に合うように、デジタルカメラの確保に動いた。
7月21日、避難先の小学校で終業式を終えた子どもたちが、うれしそうな表情で続々と福島市飯野に移転した飯舘村役場に集まってきた。自主的な参加だったため、「子どもたちはあまり集まらないのではないか」という役場職員たちの心配は、贈呈式が行われる会議室に「子どもたちが入り切れないのではないか」という別の不安に変わっていた。結局、集まってきた小学生は120人。