スキルが高く愛想が良くても「低評価」のなぜ とめどない仕事の数々をいかに整理できるか

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ジョーの仕事はすべてが場当たり的です。「1日に何台修理するか」「今日、どんな修理をするのか」「このクルマの修理はいつ完了するか」。すべては状況次第です。

ミックの場合も、お客さんからの依頼がいつ来るかわからない点は同じですが、依頼が来たら、すぐに仕事を整理します。それで場当たり的な要素をなくしているのです。

不測の事態があっても、即座に仕事のシステムに組み込んで対応するようにしているということになります。

自分と仕事の間に距離を取る

では、ミックは、いつ来るかわからない仕事をどうやって整理しているのでしょうか。

答えは、ミックは「自分自身と仕事との間に距離を置いている」です。別の言い方をすれば、次々に来る仕事を入れる「バッファー・ゾーン」を設け、そこで一度整理しているのです。

ジョーには、このバッファー・ゾーンがありません。だからジョーは、仕事が来たらその都度、反応するしかないのです。

ダメなシステムと評価されるシステムの違い
(出所:『仕事に追われない仕事術マニャーナの法則・完全版』)

バッファー・ゾーンを持っているミックは、新しい仕事との距離を置くだけではなく、そこで仕事を整理しています。

距離を置くだけなら仕事を「先送り」してため込むだけになります。実は、この「距離を置くこと」そして、そこで「仕事の整理をすること」が優れたシステムの基本になるのです。

EXERCISE → 新しい仕事にすぐ反応しない

夕方、今日1日を振り返り、発生した仕事にすぐ反応したことがなかったか、考えてみてください。

● パソコンにメール着信の表示が出たので、仕事をやめてメールを読んだ。
● プロジェクトの仕事に手をつけず「忙しいだけの仕事」ばかりした。
● クライアントから電話で要望があり、仕事を中断して依頼に応えた。
●上司から仕事を命じられ、その日の予定をすべて変更した。
●「面白いウェブサイトがある」と聞いて、仕事を中断してそのサイトを見た。
● 忘れていた仕事を思い出したので、予定を変更し、それに取りかかった。

このようにすぐに仕事に反応するような状況はいろいろあります。思いつくものをすべて書き出してみてください。

仕事に追われない仕事術マニャーナの法則・完全版
『仕事に追われない仕事術マニャーナの法則・完全版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
マーク・フォースター ビジネス・コーチ

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マーク・フォースター / Mark Forster

英国のビジネス・コーチ。主に企業幹部・個人事業主を対象に、仕事の能率に関する独自のコーチングを行う。本書の原書『Do It Tomorrow and Other Secrets of Time Management』は画期的なタイム・マネジメントの書としてベストセラーになった。

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青木 高夫 博士(経済学)

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あおき たかお / Takao Aoki

1956年、東京都生まれ。HONDAにて自動車産業に関わるルールメーキング、リスクマネジメント、コーポレートガバナンス関連の対応を主管したほか、海外駐在時は販社開発・M&A等を行う。マネジメント、マーケティングなどの研究で発掘した欧米のビジネス書を翻訳・紹介しつつ、国内外の政府のルールメーカーやビジネスパーソンと広く交流している。専修大学大学院客員教授。
著書に『なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』『日本国憲法はどう生まれたか?』 (ディスカヴァー携書)『白洲次郎に学ぶビジネスの教科書』(講談社)がある。

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