AIとアルゴリズムでは及ばない"投資"で勝つ秘訣 投資に関してAIは人間の認知能力に追いついてない

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後藤:宇根さんの見つけた「間違い」とは、わかりやすくいうとどういうようなものなんですか?

宇根:デリバティブには、「店頭デリバティブ」と「上場デリバティブ」という風に、大きく分けて2種類あるんですけど、これらは本来、価値が少し違うものなのに、世の中では同じ値段で取引されていたことに違和感を持ったのがきっかけでした。

後藤:本来ならどう考えても100円が妥当なのに、なぜか102円ぐらいでミスプライスされていたらそれを売るとか、逆に安ければ買うってことですよね。

最終的に宇根さんが見つけた理論によって、「本来こうなるはずだ」という価格にいずれ寄っていくのでしょうか。

デリバティブ取引で成果を上げてきた宇根尚秀氏(写真:徳間書店提供)

宇根:そうですね。理論を突き詰めていくと誤りを見つけられて、割高な金融商品を売却して割安な金融商品を買うことで収益機会につながることがあります。過去を振り返ると必ずしも収益を上げるのが得意だったわけではない私が、それを見つけられたのはラッキーだったのかもしれません。

後藤:現在、投資の世界でもAIと言いますか、「アルゴリズム投資」が広まっています。宇根さんはこのように機械を相手にしなければならない市場の中で、どのように独自色を打ち出しているのでしょうか。

宇根:普段、我々が主に取り扱っているのは中小型株です。日本には4000社ほど上場企業があって、証券会社のリポートは主要なだいたい2割3割程度しかカバーされてないんですよね。

後藤:全体から見て、800社程度しかちゃんと見られていないということですか。

事業会社との面談を重視

宇根:そうです。3000社ぐらいはもう野放しになっていて、企業の正しい価値が算定されてない状況です。しっかりとお話を伺えば、「この会社は伸びるかもしれない」「この会社はちょっと伸びづらそうだな」と会社の全容が見えてくることがあるんですね。だから、愚直に年間2000回から3000回ほど事業会社と面談させていただいて、事業モデルや業界のトレンドを理解していく方針を取っています。

後藤:かなり地道な活動ですね。

宇根:今後、上がってきそうな銘柄をできるだけ多く見つけて、できるだけたくさんの投資アイデアに分散投資していったら、もしかしたら儲けられるかもしれない。実際にそういったファンドで、なかなか表には出てこないけれども儲け続けているファンドさんもいらっしゃると感じたので、実践してみることが、私たち独自の一つのエッジの出し方なのかなと思っています。

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