我が子にどう教える?「投資」と「リスク」の考え方 「漫画版 おカネの教室」を通して親子で考える

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お金をうまく稼げていそうな地主であっても、リスクを取っている、という話でした。

ここで投資に馴染みのない方に注意してほしいのは、リスクの意味合いです。

普段の会話で「リスクがある」と聞くと、危ない、危険性があるという印象を抱くでしょう。できれば避けたほうがよい、ネガティブなイメージがあります。

しかし、投資の世界では、リスクは「価格変動の大きさ」で捉えます。株式のように、大きく値上がりすることもあれば、値下がりすることもある資産はリスクが高い。株式に比べれば、債券は値動きが小さいので、リスクが低い。通常のリスクという言葉よりも、もっとニュートラルな印象です。

値動きが大きいからこそ、高いリターンをもたらしうる。逆に値動きが小さい資産は、アップサイドも限定される。だから「リスク無くして、リターン無し」の関係が強固に成り立つわけです。

損をする可能性も当然ある

『漫画版 おカネの教室』(玄光社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

だからといって、闇雲にリスクをとれば高いリターンが約束されるわけではありません。未来は誰にもわからないから、損をする可能性も当然あります。

そんな不確かな未来に向かって、投資家はリスクを引き受ける。そのリスクマネーが「見えざる手」を介して経済に流れ込み、富を生む手助けをする。失敗すれば痛手を被る可能性を受け入れるからこそ、投資家は成功したときに大きな果実を得る。

投資で儲けることを「不労所得」と呼ぶことがあります。確かに投資は、体を動かし、汗水をたらしながら稼ぐものではありません。しかし、その代わりに、リスクを引き受け、時には冷や汗たらたら、という場面に耐えなければいけない。やはり、渡る世間にフリーランチはないのです。

高井 宏章 経済コラムニスト / YouTuber

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たかい ひろあき / hiroaki takai

1972年生まれ、名古屋出身。1995年、日経新聞入社。マーケット、資産運用などを長く担当。2016年からロンドンに2年駐在し、2020年から退職まで編集委員を務めた。日経在籍時は電子版やYouTubeの「教えて高井さん」の動画解説で親しまれ、キャスターとして「日経ニュースプラス9」にも出演。「高井浩章」名義で出版した『おカネの教室』は10万部超のロングセラーに。Twitter、noteで経済にとどまらず、書評や教育論など幅広い情報を発信している。

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