運転本数復活や乗継改善「24年春新ダイヤ」の要点 京葉線「改悪」の一方で利便性向上した線も多数

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南武線は従来、平均往復時間(川崎駅から往復し、折り返し時間をはさんで再度川崎駅を出るまでの一巡の時間)が128分であったが、今回の改正で駅での折返時間が平均11分/回から平均7分/回へと4分短縮。川崎駅と立川駅の2回で計8分短縮され、平均往復時間は120分ちょうどとなる。快速・各駅停車合わせて毎時8本ある南武線では、従来は往復2.13時間(128分)×毎時8本で17編成の車両と乗務員が必要となる計算だったが、往復2時間×毎時8本なら16編成で済む。

南武線 E233系
南武線は平日の快速発車時刻が統一されてわかりやすくなった(編集部撮影)

つまり、この改正は車両1編成の運用と乗務員のシフト(鉄道業界では行路という)を減らす狙いもあるのだろう。きれいなパターンダイヤだとこういったことがやりやすい。実際にそうであればJRにもメリットは大きく、日中以外を含む全時間帯、全通勤線区でパターンダイヤを推進してくれるとさらに使いやすくなるだろう。

だが南武線の改正には1つ落とし穴があった。川崎駅の1つ隣、尻手駅で同一ホーム乗換ができる浜川崎方面列車との接続が悪くなった列車があるのだ。浜川崎行き列車の尻手駅発車時刻は40分間隔で、13・33・53分発のいずれかとなっている。これまでは尻手駅で1〜3分の乗継時間があった。

これに対し改正後の川崎駅発の各駅停車は毎時02・11・20・32・41・50分発で、そこから尻手駅まで2分15秒かかり、尻手駅の時刻は毎時04・14・23・34・44・53分だ。関係者によると、川崎駅50分発に乗れば尻手駅には52分台には着くので、所定ダイヤ上は尻手駅53分発の浜川崎行きに15秒の連絡で間に合うが、尻手駅13分発の浜川崎行きに乗る場合、川崎駅11分発で行くと尻手駅到着の15秒前に浜川崎行きが行ってしまい40分待ちとなるケースもあるようだ。

最大7分短縮の中央線快速

中央線では、追い抜かれる列車(快速)の速達性が向上した。立川発5時45分〜6時45分の快速は、途中での待ち合わせ駅の変更で、立川―新宿間平均2分、最大7分短縮となった。京葉線では「各駅停車の時間短縮」のためという理由で、追い抜きを減らす目的で通勤快速をなくしたが、中央線は違う。ダイヤ改正によって速達列車が減便されたかといえば特急が1本減った程度で、特快はちゃんと残したうえでの時間短縮だ。

また、京葉線で行われた、ラッシュ時に2000人は乗っていたであろう通勤快速をなくして有料特急化する流れの草分け的存在であった中央線直通の成田エクスプレスがついに消えた。これは2010年春のダイヤ改正の際、夜の通勤快速1本を快速に変更し、もとの通勤快速と同時刻で走らせていたものだ。前述の新宿駅21時20分頃の通勤快速1本の復活はないが、通勤快速の運転間隔の偏りが是正され、これまで新宿駅21時台は05・11・37・49分発と6〜26分間隔だったのが、05・15・37・49分発と、10〜22分間隔になった。

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