運転本数復活や乗継改善「24年春新ダイヤ」の要点 京葉線「改悪」の一方で利便性向上した線も多数

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京葉線のダイヤが話題のJR東日本だが、線区によって対応は全然違い、改善された線区も数多い。

まずは山手線。2022年春のダイヤ改正で、平日の山手線と京浜東北線快速で運転間隔を揃え、田端駅で発着時刻を5分間隔に揃えて接続とするダイヤになっているが、これを外回り電車に限り土休日の午前中(10〜12時台)にも拡大した。毎時16本運転だった山手線を12本に減便した結果ではあるが、減便しても速達性が向上し、例えば池袋→浜松町間や、王子→快速通過駅などで最大4分短縮となった。また、上野―東京間の各駅は、山手線と京浜東北線快速を合わせると2〜3分間隔となり、乗車チャンスが均等化される。

浜松町 京浜東北線E233 山手線E235
浜松町駅付近ですれ違う京浜東北線と山手線の電車(編集部撮影)

ただ、平日とは違って山手線外回り電車は、浜松町では京浜東北線快速のドア開扉10秒前に発車するダイヤになっており、京浜東北線から山手線外回りに乗り換えるには5分待つことになる。これにより王子→大崎間などで所要時間が最大5分増える。また、田端でも接続するとはいえ乗換時間は15秒と短い。山手線のダイヤを全体的に30秒〜1分後ろ倒しにするなどして、しっかり相互接続にしてもらいたいものである。

ダイヤが揃うとこんなメリットが

品川駅でも大宮方面の京浜東北線から同じホームで山手線外回りに乗り継げるが、こちらは時刻が揃い乗り換え待ち時間ゼロ! 蒲田・大森から、大崎より先の各駅まで最大4分短縮だ。さらに、土休日は5分間隔で運転する中央・総武線各駅停車とも午前中(10〜12時台)に限って運転間隔が揃い、新宿駅では山手線から中央線各駅停車への乗継時間はどの列車も1分に統一された。五反田・目黒・原宿などから東中野・高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪などへ行く場合に最大5分短縮となる。

前述の品川接続も含めれば、京浜東北線から中央線各駅停車に乗り換えて大井町から中野に行く場合などで最大9分の短縮となり、これは大きい。

逆に中央線各駅停車から山手線外回りへの乗継は必ず4分待つことになり、信濃町・千駄ケ谷などから高田馬場・目白などへ行く場合は最大4分の増加だ。同時発着ならこちらも5分短縮だった。田端・浜松町の時刻もそうだが、山手線側の発車時刻があと1分後ろ倒しになることを期待したい。

発車時刻がわかりやすくなったのは南武線だ。乗客から見た変化としては、平日の快速発車時刻が川崎駅発毎時00・30分、立川駅発は毎時15・45分とキリのいい時間に統一されたのが目玉だが、実は利用者だけでなくJRにとってのメリットもありそうだ。

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