親しくない子と話す時に知っておくと安心なコツ グループに入りたいなら勇気を出して声をかけて

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じつは、大人でも、何かのグループに入る場合には、グループの中のだれか一人に声をかけて、その人に、ほかのグループのメンバーに紹介してもらう……なんていうことは多いですから。

そして、もしきみ自身がグループの一員で、だれかが入りたそうに見ているのに気づいたら、積極的に声をかけてあげたり、「入らない?」とさそってあげるようにしてほしいな。

断られたら、どうしよう??

さて、きみが勇気をふりしぼって、グループの子に「入れて」と言ったとしても、断られることもあるかもしれない。「仲のいい子たちだけでやってるから、ちょっと無理」みたいにね。

たとえそう言われたとしても、必要以上に落ちこんだり、悲しんだりする必要はありませんよ。

大人の世界では、よく「縁」という言葉を使います。これは、人と人との関係を表す言葉ですが、「入れて」と言ったのに、入れてもらえなかったら、「この人とは縁がなかった」と表現するんです。

縁がないというのは、かんたんにいうと「もともとつながりがない」という意味です。外側から見ていたら、よさそうなグループで、自分も入りたいとは思うけれど、じつはあまり合わない人たちだった可能性が高い、ということなんですね。

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だから、「お願いだから入れて!」と頼みこんで、無理やりグループに入れてもらったとしても、あまり楽しくなかったり、自分と合う人が一人もいなかった……なんてことが起こりやすいんです。

それに、断ってきた側にも、それなりの事情があるかもしれないよね。グループ内でしか話せないことがある人の集まりかもしれないし、もしかしたら、「自分たち以外の人はぜったいに入れない!」なんて、ものすごく意地の悪い人たちの集まりかもしれないしね。

どんな状況にせよ、拒否されたり、合わない人たちのグループに入ったりしても、あまりいい結果にはならないでしょう。だから、とりあえず「入れて」と言ってみて、断られたら、きみに合う友だちやグループを見つけて、いっしょに遊んだほうがぜったいに楽しいし、いいこともたくさんあるはずですよ。

POINT 断られても気にしない。「入れて」って言ってみよう

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著者、文化人として多くのメディアに登場。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『読書力』(岩波書店)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『質問力』(筑摩書房)、『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『読書する人だけがたどり着ける場所』(SBクリエイティブ)ほか多数。著書発行部数は1000万部を超える。

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