西岡:ここで描かれているとおり、周りに流されない、ひたむきに努力できる生徒というのは、合格しやすいと言えるのだと思います。
堤:そうですね、とても共感できます。例えば、『一緒に何時に来て勉強しよう』と約束して勉強しているタイプの子よりも、『約束していないけれど、自然とその時間一緒に勉強している』タイプの子って、伸びやすいんですよ。
西岡:約束しているわけではないのに、一緒に勉強しているのですか?
堤:そうです。例えば東大に受かったある学生は、校舎が開いたらすぐ自習室で勉強を始めて、校舎が閉まるまで勉強していました。
その子には『一緒に勉強しよう』と約束しているわけではないのに、同じように勉強するライバルがいたんですよね。
校舎が閉まるまで勉強して、駅まで一緒に行く帰り道で、一言二言会話を交わす。決めたわけでもないのに、次の日も同じように努力している。そういう関係性の仲間がいると、東大に合格しやすいんです。
西岡:なるほど。周りに流されないけれども、一緒に勉強する仲間がいる。そういう状態はまさに理想的だと言えそうですね。
また、この連載は『逆転合格の作法』ということで、非進学校の生徒が浪人して東大に合格する場合についても伺いたいです。非進学校の生徒が東大を受験する場合、壁になってくるのはどういう部分だとお考えですか?
自分に自信がなくて不合格に
堤:私たちの校舎でも、東大受験が当たり前でない学校から受験する学生はいます。そういう学校の学生は、いわゆる進学校と呼ばれる高校の学生と比べて、入学時の成績が厳しいとか、学習時間が少ないとか、そういうことはまったくありません。成績的に比べてみても、大きな差異はない場合が多いです。でも、1つだけハンデがあるとしたら、自信がないことだと思います。
西岡:自信がない?
堤:自分に対して自信がなさすぎて、自分の勉強法を信じ切れないんです。焦って、普段とは違う勉強をし出したり、『このままではダメだ』と思って授業中に内職をしたりして、近道を探し始めてしまうことがあります。自分のやり方を信じ切れば合格していたかもしれない、という学生もいました。なので、東大受験が当たり前ではない学校の学生には、『自分に自信を持つように』、と指導しています。
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