不正続発の大手損保は"ウミ"を出し切ったのか ビッグモーター、カルテル問題で処分も残る闇

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また、入庫再開を決めた非公式会議の出席者である損保ジャパンの飯豊聡・前副社長は、役員報酬の減額処分はない。それよりも重い「退任処分」を受けているためというが、退任によって白川氏のようにSOMPOグループから完全に離れるわけではない。4月にコールセンター事業などを担うSOMPOコミュニケーションズの会長に就くのだ。

「ふざけるなと叫びたいくらいだ」とOBは憤慨

であれば、甘い処分とならないように、3人ともに報酬の一部を自主返上させる手もあったはずだ。ただ櫻田氏らからは返上の申し出はなく、SOMPOの報酬委員会も返上を求めることはしていなかった。

まやかしのような処分でお茶を濁す損保ジャパン(記者撮影)

対外的にはそうした事実を伏せて、報酬半減は6カ月にも及ぶと見せかけていたともいえる。「ふざけるなと叫びたいくらい。うちの悪い部分がそのまま出た印象だ」と、損保ジャパンの役員OBの1人は憤慨する。

東洋経済編集部では3月以降、櫻田氏らに対する実質的な処分内容があまりに不適切ではないかとして、SOMPO側に複数回にわたって問い合わせをしていた。

すると3月14日、SOMPOはそれまでの方針を転換。「社内外からのご理解を得るため」として、櫻田、西澤両氏については、実質的に6カ月間の報酬半減となるように報酬委員会で急きょ決定したという。

【2024年3月14日18時30分追記】初出時の表現の一部を上記のように修正しました。

櫻田氏は昨春まで、経済同友会の代表幹事を務めていた。まさに日本を代表する金融機関のトップだった人物が、処分の甘さについて外部から指摘されなければ、そのまま逃げ切ろうとしていたわけで、開いた口が塞がらない。

翻って、ほかの大手損保はどうなのかというと、決して胸を張れるような状況ではない。

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