日経平均「史上最高値」更新の裏で進んでいる茶番 「景気回復の実感」なき株価上昇が意味すること
「お金の本質を突く本で、これほど読みやすい本はない」
「勉強しようと思った本で、最後泣いちゃうなんて思ってなかった」
経済の教養が学べる小説『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』には、発売直後から多くの感想の声が寄せられている。本書は「読者が選ぶビジネス書グランプリ」総合1位を獲得、19万部を突破した話題のベストセラーだ。
著者の田内学氏は元ゴールドマン・サックスのトレーダー。資本主義の最前線で16年間戦ってきた田内氏はこう語る。
「みんながどんなにがんばっても、全員がお金持ちになることはできません。でも、みんなでがんばれば、全員が幸せになれる社会をつくることはできる。大切なのは、お金を増やすことではなく、そのお金をどこに流してどんな社会を作るかなんです」
今回は、年初からの株価上昇のウラで何が進んでいるのか、解説してもらう。
「景気回復の実感」なき株価上昇の意味
日経平均株価が2月22日に史上最高値を更新し、3月に入ってからは4万円台にも突入した。
経済ニュースは異様な盛り上がりを見せている。
「日経平均が、バブル期の最高値を上回った」
「バブルのときとは異なり、今の株価は割高ではない」
などという声が、さまざまなメディアから聞こえてくる。
直近では少し調整局面に入ったようだが、それでも、自分も株高に乗り遅れないように投資を早く始めようと焦る人は多いようだ。
事実、ビジネス書の売り上げランキングを見ると、投資や資産形成の本が飛ぶように売れているのがわかる。
しかし、株価が上昇しているという事実の一方で、多くの人は首を傾げているはずだ。
「バブルのときとは異なり、今の株価は割高ではない」と言われているが、バブルのときよりも今のほうが、日本経済の状態はよいということなのだろうか。
とてもそうは思えない。
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