VWは世界トップクラスの量産メーカーであり、2023年のグローバル販売台数は924万台に上る。その規模にものを言わせ、(サプライヤーとの)部材調達交渉を有利に運ぶことができる。部品の共同購買が軌道に乗れば、小鵬汽車は(従前より)調達コストを引き下げられるだろう。
小鵬汽車との提携に関するVW側の事業主体は、100%出資で中国に設立した研究開発子会社のVW中国科技だ。同社のCEO(最高経営責任者)には、VWの中国事業統括会社のトーマス・ウルブリッヒCTO(最高技術責任者)が2024年4月1日付で就任することが決まっている。
経験豊富なVW幹部が参画
ウルブリッヒ氏は、VWの主力EV「IDシリーズ」の開発をドイツ本国で主導した。EVの開発・生産に関して、VW社内で最も経験豊富な幹部の1人であり、小鵬汽車との提携に対する期待の高さがうかがえる。
IDシリーズは、VW初のEV専用プラットフォーム「MEB」をベースに開発され、第1号モデルの「ID.3」は2020年に発売された。しかし車載ソフトウェアの不具合などから、IDシリーズは中国市場への導入が遅れ、発売後の売れ行きも当初は芳しくなかった。
その後、VWは販売価格の引き下げや製品ラインナップの見直しなどのテコ入れを実施し、IDシリーズはようやく低迷を脱出。2023年の中国市場におけるVWのEV販売台数は19万1800台と、前年比23%増加した。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は2月29日
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