中国新興EV「蔚来汽車」、中東ファンドが大株主に アブダビ政府系のCYVNが3000億円超を追加投資

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蔚来汽車はCYVNの追加投資をテコに再成長を目指す。写真は2023年12月、新型高級EV「ET9」を発表する創業トップの李斌CEO(同社ウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(NIO)が、中東の投資ファンドから大型の追加投資を獲得した。蔚来汽車の2023年12月18日付の情報開示によれば、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの投資ファンド、CYVNホールディングスが子会社を通じて約22億ドル(約3137億円)を出資する。

具体的には、蔚来汽車が新規発行する2億9400万株の普通株を、CYVN が1株当たり7.5ドル(約1070円)の現金で取得する。この取引は2023年12月の最終週に執行される予定だ。

実質経営権は創業トップが維持

CYVNは経営権の過半をアブダビ政府が保有しており、先進的なスマート・モビリティ分野に重点的に投資している。同社は2023年7月、増資引き受けと既存株主からの株式買い取りを通じて、蔚来汽車に総額約11億ドル(約1569億円)を出資していた。

蔚来汽車の説明によれば、今回の追加出資の完了後、CYVNは発行済株式の20.1%を保有する筆頭株主になる。ただし、同社の実質的なオーナーは創業トップでCEO(経営最高責任者)を務める李斌氏のままで変わらないとしている。

(訳注:李斌氏は1株に複数の議決権が付与された種類株を保有しており、議決権ベースでは増資後も最大株主の地位を維持する)

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