海外記者力説「ドラゴンボール」愛された最大の訳 ニューヨークでもお馴染みの存在になっている
年老いた悟空が、父親としての自覚や失われた遺産と闘いながら、次々と襲い来る悪党から地球を守る続編アニメ『ドラゴンボールZ』の全米初放送は、鳥山氏の物語が欧米に本格的に根付いた時だった。
『Oops!フェアリーペアレンツ』『ティーン・タイタンズGO!』『KND ハチャメチャ大作戦』『アウルハウス』『アバター』『ロボットチキン』など、欧米のアニメには『ドラゴンボール』への言及があふれている。『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』や『香氣と十輪伝説』の登場人物も、この作品にうなずいている。
チャイルディッシュ・ガンビーノ、フランク・オーシャン、ソウルジャ・ボーイは、曲の中で『ドラゴンボールZ』を引用している。そして悟空は、『NARUTO』や『ONE PIECE』といったほかの人気漫画の主人公たちの脚本にもインスピレーションを与えている。
ニューヨークの街でも「なじみの存在」に
鳥山氏のシリーズに夢中になったことがない人でも、同氏の万能のヒーローをどこかで見たことがあるだろう。悟空はニューヨークのタイムズスクエアの3D看板から飛び出してきた。メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードでも、何度もニューヨークの街をバルーンが飛び回った。
今でも、ハロウィーンの日にブルックリンを走り回る小さな悟空を1人か2人見かけることがある。オレンジ色の服と黒い泡のような髪(スーパーサイヤ人の姿なら、黄色い山のような毛)は、一晩中必死にお菓子を探し回ったせいで、ボロボロになっている。
『ドラゴンボール』は、影響力のある同世代のアニメの中でも、ストーリーの中心にいるヒーローの存在が際立っている。悟空は鳥山氏が生み出した最高の作品だ。彼は時代を超越し、無敵だ。ドラゴンボールのさまざまな姿を見たことのある人なら誰でも、悟空が全滅の危機に直面していることは知っている。彼は負けたこともあるし、何度も死んでいる。
しかし、彼は(戦闘力)8000以上でもあった。鳥山氏は悟空を、本質的には永遠の存在として書いた。世界中の数え切れないほどのファンにとって、鳥山氏の遺産もそうであるように。
(執筆:Maya Phillipsk記者)
(C)2024 The New York Times
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