海外記者力説「ドラゴンボール」愛された最大の訳 ニューヨークでもお馴染みの存在になっている

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メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレード「恒例」となった悟空のバルーン(写真:Sipa USA/時事通信フォト)

『ドラゴンボールZ』シリーズの英語吹き替え版で最も人気のあるセリフは、「戦闘力、8000以上だ…!(英語ではIt’s over 9000)」だろう。このセリフはそのドラマチックさで愛されている。主人公、孫悟空の比類なきパワーレベルを指す感嘆詞なのだ。私も中学時代にはジョークとして使っていたし、インターネット上で最も永続的なミームの1つとなった。

だが、3月1日に亡くなったことが確認された鳥山明氏の漫画、『ドラゴンボール』において悟空は初めからつねにスタミナと根気の象徴的な存在だった。

アニメの騎手の1つとなるほどの人気に

鳥山氏は『Dr.スランプ』や『サンドランド』の作者でもあるが、1984年に創刊され、日本の人気雑誌『週刊少年ジャンプ』で長年連載された『ドラゴンボール』の作者として最もよく知られている。この作品は当初から成功を収めたが、世界中の多くの人々がこの作品を知るにつれ、『ドラゴンボール』はアニメの旗手の1つとなるほどの人気を獲得した。

宮崎駿氏のような偉大なアニメ監督の活躍や、最近のアメリカでの実写映画化の急増にもかかわらず、マンガやアニメが、その芸術形式の巨大な範囲、広さ、歴史を考慮しても、西洋の主流メディアで大体的に扱われることはまだかなりまれだ。

が、いくつかの大きな例外はある。『ポケモン』『NARUTO』、そして『ドラゴンボール』である。

『ドラゴンボール』は、地球にたどり着いた孫悟空という少年の物語である。彼はブルマという優秀な青い髪のティーンエイジャーと組み、強力な願いを叶える神龍を召喚するために7つのドラゴンボールを探す。

鳥山氏が創り出した世界とイメージは、昔の武侠映画のカンフー風の格闘シーンと、SFや宇宙とテクノロジーのファンタジー風の再構築を組み合わせたものだった。オレンジ色の道着を着た野性的な髪の少年は雲の上を飛び回り、ひげを生やした緑色のドラゴンは蛇のような体をゴルディアスの結び目に巻きつけて空を飛ぶ。

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