プライベートでもすでに3回訪日しているシャビエルさんのツアーでは、ポップな日本を象徴する秋葉原やユニバーサル・スタジオ・ジャパン、神社仏閣や城といった歴史スポットを訪れる。
「セーラームーンや幽遊白書でアニメが好きになりましたが、実際に日本を訪れるようになってからは、歴史にも惹かれるようになりました。ツアーは広がり続ける私の日本への興味を形にしたものです」
「トクツアー」と「日本100%」は、いずれも同じ旅行会社のパックツアーだ。旅行会社ア・グランジ・ホッタ(グランドラインの意味)は 2018年11月創立、新型コロナのパンデミックによる約3年間の事業の中断を経て、従業員ゼロで再建し、昨年4件のパック旅行を催行した。
「ポップカルチャーをテーマにした旅行業を手掛けたくて起業しました。日本のポップカルチャーに特化した旅行会社は、ブラジルで当社だけです」と話す社長のファブリシオ・ロッバさん(43)は、旅行会社設立まで日本に行ったことがなかった。
ポップカルチャーなら「日本」
そんな彼が日本に注目したのは、なぜだろうか。
「ポップカルチャー全般に詳しいジャーナリスト兼ユーチューバーのミリアン・カストロ(31)にパック旅行の企画を相談したら、“なら日本ね!”と一押しされたんです」
ロッバさんは、訪日経験のあったカストロさんを2019年1月に単身東京に送り、彼女自身が立てた旅程を自撮りしながら巡ってもらい、その映像をパック旅行のプロモーションに活用した。
現在、登録者数約59万人を数えるカストロさんのユーチューブチャンネル「mikannn」で、その映像を紹介すると大きな反響があり、同年9月にカストロさんが引率し、ロッバ社長も同行する「ジャパン・ポップ・オタク」ツアーを開催したのだった。
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