二期連続赤字に沈むワコール「2つのジレンマ」 希望退職150人程度の募集に対し、215人が応募

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アパレルを筆頭にトレンド商品を扱う企業の場合、一般的に新商品の比率が高いが、その分だけ売上高予測が難しくなる。一方で買い替え需要が多い作業用品などの場合は定番品比率が高く、例えばアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」では「継続品が3分の2以上を占める」(業界関係者)といわれる。

インナーウェアを主戦場とするワコールHDで新商品が6割も占めてきたのは、同社が抱える「卸売りへの依存」というもう1つのジレンマがある。矢島社長は「当社ではほぼ毎月、新商品が出ている。作る側や売る側としては新商品がないと不安になるからだが、消費者は下着売り場に年何回行くのだろうか」と疑問視する。

国内の販路別売上高を見ると、 量販店(GMSなど)がもっとも高い29.4%、百貨店が21.6%となっている。専門店や外部ECなどを含めると、卸売りが7割弱(いずれも2023年3月期実績)を占める。ワコールHDでは、販路ごとにブランドを設けてマーケティングしてきた。

【2024年3月6日10時50分追記】データの一部に誤りがありました。上記の通り修正いたします。

「だが販路に合わせたブランドを作っているだけで、同じような機能、同じようなテイストの商品が各所で生まれていた」(矢島社長)

この問題はワコールHDグループDXマーケティング担当の篠塚厚子執行役員も「ワコールが展開する複数ブランドの商品を並べたときに、それぞれの違いが伝わってこなかった」と指摘する。

不採算店の撤退にも着手

今後は自社競合を極力なくす方向でブランドを集約する。継続品の比率を6割まで増やし、素材の共通化も進める。4割に厳選した新商品は、企画開発にかけるリソースを集中することで、より革新的な商品開発を目指す。

並行して不採算店舗の撤退に着手し、今2024年3月期中に直営店22店、百貨店内の10店を撤退予定。それ以外の150店程度についても条件交渉を進めている。

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