そんなふうに的を絞って書いているから難しくはないし、きっと誰が読んでも僕が何を伝えようとしているかはわかってもらえるはず。ただ、多くの人に読んでもらえるようチューニングはしています。「モーニング娘。」のメンバーと話をしている絵を頭に思い描きつつ、より広く皆さんに伝わるよう試行錯誤して形を変えていった。校了前のギリギリまでねばって、赤字を入れ続けました。
人気者になるアイドルには理由がある
――ビジネスパーソンの共感できる話が多いと思いましたが、元はアイドルのためのアドバイスだったとは。
「モーニング娘。」や「AKB48グループ」、「ももいろクローバーZ」のようなよく知られているグループに限らず、昨今はアイドルグループが増えた分、身近な存在になったと思うんです。テレビの中だけの世界、偶像の世界ではなく、CDを買えば握手会やイベントに会いにいけるわけだし。コロナ禍でイベントが軒並み中止になった厳しい時期を経て、今はまた開催されるようになっていますから。
では、これだけ多くのアイドルがいる中で、彼女らがどうするか。
どのアイドルグループにも容姿の整った子たちはいる。しかし、皆が売れるわけではない。じゃあ、なんで売れないんだろうという話です。一番見た目のいい子が一番の人気者になるわけではない。
例えば、たった1回のトーク番組をきっかけにパーンと人気を得たように見える子がいるとする。面白い面を見せることに成功して、一気に注目されるようになった。でも、たぶんそういう子たちは、握手会やファンイベントなどの場で、日頃から頭ひとつ抜けるための地道な努力をしていた、もしくは素質をすでに持っていたと思うんです。
個性的なアイドルでいうと元NMB48メンバーの渋谷凪咲さんは大喜利が面白いことで注目され有名になりました。彼女はきっと、最初にテレビ番組でそれを披露する前から、自分なりの面白さの追求をし続けてたんじゃないかなと僕は思う。
誰かに見つけてもらうには、見つけてもらうべきものを持っていなければいけない。それは地道に磨いていくしかないんですよね。
皆が同じ方向に向かう時、どれだけ冷静になれるか
――個性を伸ばすのが重要ということでしょうか。
学校でも会社でも、「あの人にはちょっとかなわないな」というスバ抜けたセンスのある人はいると思います。でも、その「人気者さん」がやっているようなことをなぞるような列には並ばないほうがいいよ、という感じですかね。
みんなと同じ格好をしなきゃヤバい、なんて思い込まなくていい。でも、だからといって狙って違うことをするべきだという話でもない。
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