埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは

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問題を日本語にすると「政府は宇宙の探索(例えば、月や他の惑星への旅行など)にできるだけ多くの資金をかけるべきだと考える人がいます。これに対し、政府はこのお金を地球上での基本的なニーズのために使うべきだと考える人もいます。あなたはこれらの2つの意見のうちどちらに賛成ですか?答えを裏付ける具体的な理由と詳細を使用して答えてください。」になります。

問題文の英語自体はそこまで難しくありませんが、大変なのはこれについて「英語で答えること」だと言えます。120〜150字というかなり長めの自由英作文の問題ということで、なかなか難しいですね。

さて、この「宇宙探索について」の意見を求める問題は、埼玉大学に限らず、多くの大学入試で似たような問題が出題されています。

知識量で太刀打ちできない良問

2012年の早稲田大学の政治経済学部でも、「次の文章を読んで、賛成か反対かを、最低でも2つ以上の理由と併せて英語で答えなさい。『Space exploration is a waste of money.』」というような問題が出題されています。大学入試において、「宇宙探索にお金をかけるべきか否か」についてはよく出題されていると言えるのです。

その理由としては、宇宙探索に関しては「反論」を作るのが難しいからだと言えます。この問題は、知識量で対応できない良問なのです。

「宇宙探索は重要だ!」という主張と「宇宙探索はお金の無駄だ!別の大事なものにお金をかけるべきだ!」という主張にはどちらにも正当性があり、片方の立場を取るとしても、ディベートのようにきちんと反論できるようにしなければなりません。

例えば「宇宙探索にはロマンがあって、科学研究の推進力になるはずだ!」と主張するにしても、きちんと「現実的に地球にはもっと緊急性の高い問題が多いじゃないか」という意見に対する反論も用意しなければなりません。

今回東大生たちにも解いてもらいましたが、複数の理由を挙げるのがなかなか難しい、という声が多かったです。(東大生たちの解答はこちら)彼ら彼女らの話を聞くと、付け焼き刃の知識ではなかなか対応できない良問だったと言えます。

さて、だからといって「まったく同じ問題を出題する」というのはどんな意図があるのでしょうか?

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