埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは

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逆に今回の問題の出題意図を考えると、「2022年に埼玉大学では宇宙探索についての英作文問題が出題されたから、数年は同じテーマの問題は出題されないだろう」という分析を行った受験生や先生・塾や予備校の関係者を出し抜く問題だった、という見方もできるかもしれません。

「過去問で出たからといって、もう出題されることはない」という予想を裏切ったという意味で、これからの予想を難しくし、逆説的に今後の入試の平等性を担保した問題だったと言えると思います。

過去問の勉強は徹底的にしたほうがいい

いかがでしょうか? 個人的な意見を言わせていただくのであれば、今回の問題は「出題としてアリ」だと感じました。受験生の中には、「過去に出題された問題はもう出ないから、あんまり力を入れなくていいや!」と過去問を軽視する人もいます。

しかし、今回のような問題が出ると、「やっぱり過去問の勉強しなきゃな」と考えて過去問を見て、「自分が行きたい大学は、どんな問題を出題しているのか、どんな人材がほしいと考えているのか」をしっかり考えて受験勉強をするようになると思います。

いずれにせよ、受験の歴史に一石を投じる、伝説的な一件だったと言えるのではないでしょうか。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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