静岡が「お国自慢」を実は自慢しきれない理由 「お茶王国」「サッカー大国」は本当か?

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静岡は確かにお茶の生産が全国一盛んだが・・・(写真:Oi/PIXTA)
世の中にあふれるさまざまな統計やデータ。これを基にしていろいろなランキングが作られるワケだが、中にはなぜそうなるのかの理由が、すぐにはわからないような“世にも不思議なランキング”がある。
TBSテレビ『世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?』(6月22日よる7時<一部地域はよる8時>放送)は、そんなランキングデータの謎を解き明かす番組だ。「なんで△△が○位にランクインしているのか?」。その裏側を探ると、驚きの事実が次々に明らかになってくる。取材班が直面した不思議なランキングの一端をご紹介しよう。

 

まずはこちらのランキングをご覧いただきたい。

■市町村別・お茶の生産量ランキング
1位:鹿児島県南九州市
2位:静岡県牧之原市
3位:静岡県島田市
(ランキング出典:茶サミット 市町村別2014年荒茶の生産量)

 

意外に思った人は、少なくないのではないだろうか。全国的に「お茶王国」として有名な静岡が、鹿児島の後塵を拝しているように見えるからだ。

静岡をしのぐ南九州市のお茶はなぜ無名なのか

静岡県は、自他ともに認める日本一の茶どころである。静岡県公式ホームページによれば、静岡には牧之原や磐田原、愛鷹山など20を超えるお茶の産地がある。全国の茶園の40%、荒茶産出額の35%を占め、茶(生葉)の収穫量は2013年で14.4万トンと全国1位でシェアは37%だ(「平成25年産茶生産量」農林水産省)。

県民の「お茶愛」も熱い。知る人ぞ知る話では、静岡県島田市では蛇口からお茶が出てくる給茶機を備えた小学校が4校、中学校が2校ある(2015年1月時点)。

ところが、市町村別のお茶生産量ランキングでみると、静岡の有力なお茶生産地がどこも南九州市にはかなわない。なんとも意外な事実である。それにしても、南九州市と聞いてお茶と思い浮かぶ人はどれだけいるだろうか。まったくイメージがないというのが、取材班の実感だ。そんな南九州市のお茶事情を確かめるべく現地に飛んだ。

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