今すぐ「AIに淘汰される上司」の悲しすぎるルーツ 上司の仕事は「情報管理」でなく「目標管理」

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残念なことに、現在の若い人はホワイト「すぎる」職場に魅力を覚えない。とくに上辺だけ「優しすぎる上司」はリスペクトされなくなっている。リスペクトされないどころか、ヒドイときは失望されるケースもある。

若者が上司に失望する2つの原因とは?

若者が上司に失望する原因は、以下の2つだ。

(1)ムダが多すぎること

(2)昔のやり方を変えないこと

デジタルで武装し、タイパ(タイムパフォーマンス)を強く重んじる若者たちに、

「なんでそんなムダなことをしているんだろう?」

と思われたら、失望されるのも仕方がない。

実務に関しては大丈夫だろう。ムダなことは、ほとんどないはずだ。これ以上、作業現場で「ムリ・ムダ・ムラ」をなくそうとしても難しいほど、日本は改善活動が徹底されている。

しかし職場内のコミュニケーションに関しては、どうか? たとえば、リアルで集まって「進捗報告」をさせる会議で考えてみよう。

メンバー10人を集めて、1人ひとりに

「今月はどう? 今の進捗を教えて」

とマネジャーが声をかけていく。それに対してメンバーは、

「今月の売上は670万円程度で着地しそうです。さらに上積みを狙っていきますが、けっこう難しいかもしれません」

「800万円の目標に対して、全然達成してないじゃないか」

「来月以降も厳しいです。値上げの影響が響いてまして」

「その話は先月も聞いたよ」

「申し訳ございません」

こんなやり取りが、2時間近く続く。同席した若者は、きっとこう思うだろう。

「1日の勤務時間が7.5時間なのに、2時間もこんな会議に費やすなんて、信じられない!」

手元の資料をめくりながら、

「進捗管理資料を見ればわかること」

「わざわざ集まって報告させる意味がわからない」

と呆れるはずだ。しかも会議がはじまってもムダ話が多かったり、成果が出ていない人の言い訳を聞かされたりしていると、

「大事な時間を返してほしい」

と誰だって思う(若者だけではない)。

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