今すぐ「AIに淘汰される上司」の悲しすぎるルーツ 上司の仕事は「情報管理」でなく「目標管理」

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しかし、これまでやってきた「情報管理」が自分の仕事であり、「情報管理」することで「責任」をまっとうできると誤解しているマネジャーは、このような便利なシステムを使いたがらない。

自分の仕事がなくなるからだ。

これまでは、

「現状どう?」

「今期の数字はいきそう?」

と会議でヒアリングしていればよかった。しかしシステムが導入されると、現状のデータに基づいて、どこに問題があり、どのように問題解決すべきか。「コンセプチュアル」を使って仮説を立てなければならない。

アナログに固執するマネジャーは失望される

部下にとっては、そのほうが断然ありがたいはずだ。とくに、デジタルネイティブの若者は「タイパ」を重んじる。はやく成果を出したいし、はやく成長したいのだ。

だからこそ、便利なデジタル技術を使わず、データを分析することもなく、口頭で確認しようとする上司に対し、強い違和感を覚えるのだ。

「一見ムダのように見えて、実は意味のあること」

などと到底思えず、

「本当にムダなこと」

と、若者の目には映るだろう。

・ムダが多すぎること

・昔のやり方を変えないこと

この2点が部下を失望させる。どこでデジタル技術を使い、どこでアナログのコミュニケーションをするのか。そのメリハリがないマネジャーは、AIによって淘汰されていくに違いない。

新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール 』では、現代の若者にどのように接したらいいのか? ちょうどいいマネジメントのルールを11のテーマに沿って解説した。

ぜひ本書を参考に、若者を正しく導いてもらいたい。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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