8月の復旧に向けて全力、より踏み込んだ支援を--民間病院の震災被害と完全復旧への取り組み

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8月の復旧に向けて全力、より踏み込んだ支援を--民間病院の震災被害と完全復旧への取り組み

石巻港湾病院(病床数135床)は、宮城県石巻市の旧市街地に立地する療養型の民間病院。脳卒中や脊髄損傷患者などへのリハビリテーションや難病患者への医療を特徴としている。
 
 3月11日の東日本大震災では、津波で設備が大きな被害を受けたものの、4、5階に移動させることで入院患者94人全員の生命を守った。そして現在、設備の完全復旧に向けて修繕工事が急ピッチで進められている。
 
 同病院の間山文博マネージングディレクター(写真)に、震災当時の状況および今後の課題について聞いた。

--震災当時の状況について教えてください。

 石巻港に近いことから、1階の天井の高さまで津波が押し寄せた。1階にあった検査機器やリハビリテーション機器のすべて、厨房が使用不能になった。外来患者さんのカルテも海水につかり、レセコン(診療報酬請求用のコンピュータ)も使用できなくなった。入院患者さんのカルテは2階にあったために被害を受けずに済んだ。

2階病棟(療養病棟)にいた比較的入院期間が長い患者さんおよび3階病棟(回復期リハビリテーション病棟)の患者さんは、職員がシーツにくるんで一人ひとりを4階および5階に移した。そして、しばらく、4階および5階で過ごしていただいた。
 
 その後、数名をほかの病院に搬送する一方、当院が嘱託医を務めている特別養護老人ホームに十数名の方に移っていただいた。残る方は当院に入院し続けた。震災時に勤務中だった職員は全員無事だったものの、休みなどで不在だった職員3人が命を落とした。

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