原子力研究の落日、使命を見失った学者たち--象牙の塔の「罪と罰」

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前述の山地名誉教授は「東電の歴代原発担当役員は東大の電気工学科や機械工学科出身が多い。原子力研究の基礎的な部分はこれらの学問に根差しているからだ。実務を回すのに、必ずしも原子力工学を専攻している必要はない」と言う。ただ、「問題は知識よりも意欲。原子力をやろうという人材がいなくなるとすれば、事態は深刻だ」。

当の日本原子力学会は「日本は原子力の技術を捨ててはいけない」(広報担当)と強調する。だが、これから新たに原子力業界に入ろうという若者が現れなければ、この期に及んでの原発推進など、成り立つわけもない。今回の事故が業界に残した傷は深く、事故そのものの収束だけでは到底片がつきそうにはない。

 


■茨城県東海村にある東大大学院の原子力研究炉「弥生」、今年3月末に停止

 

(週刊東洋経済2011年6月11日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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