グッドイヤーと訣別、住友ゴム「単身」の打算 15年以上続いた日米タイヤ連合が消滅した

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「当初の目的は十分達成できた」と提携解消の会見で振り返る住友ゴムの池田社長

「提携解消の評価は今からの成果にかかる。確実に実を取ることが大事」。タイヤ世界6位の住友ゴム工業は6月4日、同3位の米グッドイヤーと資本提携を解消したと発表。池田育嗣社長は吹っ切れた表情で語った。

住友ゴムとグッドイヤーの提携実現は1999年。両社はそれぞれ、「ダンロップ」「グッドイヤー」という、自前のタイヤブランドを持つ。提携で日米欧に計6つの合弁会社を設立し、両ブランドの生産・販売や共同購買、技術開発などを続けてきた。互いに株も持ち合っていた。

提携初期こそ、住友ゴムはグッドイヤーの技術力を、グッドイヤーは住友ゴムの販路や生産拠点を獲得、メリットは双方にあったという。住友ゴムも2000年度から2014年度まで、売上高は倍、営業利益は3倍超に成長した。

グッドイヤーの地盤沈下

ただ一方で、世界のタイヤ事情が激変。ブリヂストン、仏ミシュラン、グッドイヤーのビッグ3は、かつてほど強くなくなった。特に3番手のグッドイヤーは、低採算の米フォード向け生産や原材料高騰などで、2003年に経営危機が表面化。10%強持っていた住友ゴム株の大半を手放した。一時18%あったシェアは2013年には10%を割った。

背景には、新興国のモータリゼーションに伴う、プレーヤーの増加も挙げられる。韓国のハンコックやクムホ、台湾の正新など、新興勢が台頭し、日米欧のトップメーカーの競争力は相対的に低下してきた。タイヤの主戦場になった新興国市場は、住友ゴム・グッドイヤー提携の対象外だ。両社の競合する場面は増えてきている。

2014年には、グッドイヤー側が反トラスト法(独占禁止法)違反を理由に、住友ゴム側に提携解消を要求。両社は国際商業会議所に仲裁を申し立てる一方、水面下で交渉を続け、今回の合意に至った。

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