ブリヂストン、「断トツ目指す」と言うけれど 経営目標の数値達成に必要な具体策

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10月16日に中期経営計画の説明を行ったブリヂストンの津谷正明CEO

「真のグローバル企業を目指す」「業界において全てに『断トツ』を目指す」と威勢のいいスローガンを掲げている割には、消化不良感が残る内容だった。

世界タイヤ首位のブリヂストンは10月16日、2019年までの中期経営計画を発表した。毎年更新する形で計画を公表しており、今回、新たに設定した数値目標は、ROE(自己資本利益率)12%の継続確保、世界の各地域セグメント市場で、それぞれ売上高1兆円、営業利益率10%を目指すというもの。だが、その具体策は明確に示されなかった。

ブリヂストンの地域セグメントは現在、日本、米州、欧州、アジア・大洋州・中国、中近東・アフリカの5つ。中近東・アフリカを欧州本社で統括する体制にして4つに集約するとしているが、再編の時期は明らかにしていない。数値目標は再編を経た後に達成を目指すという。

グローバルのシェアはじわり低下

全地域での売り上げ1兆円、営業利益率10%の目標を設定した理由は、シェアの低い地域での対応が求められていることがある。2013年度の地域セグメント別売上高をみると、日本が1兆2703億円、米州が1兆6519億円であるのに対し、欧州は4233億円。ライバルの仏ミシュラン社は約200億ユーロの売上高のうち、地元の利を生かし4割強の82億ユーロを欧州が占めており、ブリヂストンは大きく水をあけられている。 

新興国市場にも課題がある。世界のタイヤ市場シェアで、ブリヂストンは2005年からトップの座を守っているが、2002年から比べると3.5ポイントシェアを落としている。これは、ハンコック、クムホ、杭州中策などの韓国、中国を中心とする海外メーカーがじわじわとシェアを伸ばしていることが背景にある。

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