ブリヂストン、「断トツ目指す」と言うけれど 経営目標の数値達成に必要な具体策

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中期経営計画では内部体制の構築についての説明に多くの時間が割かれた

10月16日の会見では、中期経営計画の数値目標について「欧州の売上高、営業利益率はまだ低い。新しい経営チームを加えて改善を図る」(津谷正明CEO)と語った程度で、個別具体的な施策や達成時期は明確にしなかった。中国など新興国メーカーへの対応については「他社とは違う商品、真似できないビジネスモデルで対抗する」と、プレミアブランドとしての地位を守り、安易な価格競争は避ける方針は伺わせるが、同じく具体策への言及はなし。中期経営計画の会見で多くの時間が割かれたのは、グローバルに対応した企業文化や経営人材、経営体制の整備といった内部体制の課題と、それに対する今後の方針説明だった。

ビジョンの理解に必要な具体策

2014年12月期は、売上高3兆6500億円(前期比2.3%増)、営業利益4750億円(同8.4%増)、純利益2930億円(同45%増)の見通しで、2年連続で純利益は過去最高を更新する見込み。好業績の要因は、天然ゴム価格の下落と為替円安の押し上げ効果が大きい。一方で、汎用タイヤの価格競争は新興国だけでなく北米タイヤ市場でも激化するなど、このところ世界首位の座を脅かす動きも見受けられるようになった。

今回の発表について、「経済情勢の変化によって(現時点で策定する)数値目標は変わる可能性がある。それより中期のビジョンを伝えたい」(ブリヂストン)としている。だが、海外で競争が激化している中で、「全てに断トツ」というスローガンを掲げている以上、売り上げや利益目標に対するより具体的な方策や達成時期を明示していく必要があるだろう。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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