業績絶好調のIT企業で「人が減らされている」怪 大量採用の反動に加え、AIシフトの重大影響

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生成AIは、あらゆる企業の優先順位を変えた。質問に答えたり、画像を作成したり、コードを書いたりすることができるこのテクノロジーは、オープンAIのチャットボット「チャットGPT」の人気が爆発したことで、瞬く間に話題の中心に躍り出た。

大手テック企業は、AIシステムを構築するため、大急ぎでエンジニアを雇っている。コンプティアによると、昨年はアメリカでソフトウェア開発、半導体エンジニアリング、クラウドコンピューティングを含むAI関連の求人が18万件あった。AI関連の求人数は今年に入ってからも拡大している。

生成AIシフトで犠牲になる従業員

こうした生成AIへの取り組みの強化と並行して進んでいるのが、他分野での人員削減だ。グーグルはレイオフで拡張現実(AR)技術に携わる人員を削減。昨年2万人近くをレイオフしたメタは、さまざまなプロジェクトの監督とチームのスケジュール順守に責任を負うプログラムマネージャーの削減も進めている。

アマゾンは急増するネット通販の注文に対応するため、2020年と2021年の2年間で従業員数を160万人へと倍増させた。そこには、20万人から38万人に増員したコーポレート部門の雇用も含まれていた。

その後、アマゾンはコーポレート部門の人員を約3万人、その他の部門の人員を約5万人カットしたと、同社の雇用状況の変化に詳しい関係者は言う。そしてアマゾンの首脳陣は、それらの雇用がすぐに戻ることはないと明言している。

「従業員数はその線で維持したいと考えている」。アマゾンの最高財務責任者(CFO)ブライアン・オルサフスキーは、先日のメディア向け電話会見でそう述べた。

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