元金100万円で年利4%の場合、1年後には利子4万円が付いて104万円になります。ここで、得られた利子は元金に入れずに、翌年も100万円に対して4%の利子が発生するのが「単利」であり、利子も入れた104万円に対して4%の利子が付くのが「複利」です。
つまり、単利の場合は1年目も2年目も同じ4万円の利子が付きますが、複利の場合は2年目の利子は
104万円×4%=4万1600円
となり、単利よりも1600円多く利子が付くことになります。
3年目は2年目に増えた1600円分に対してもさらに4%が付き、時間経過につれてどんどん利息が増えていきます。最終的に、18年目の利息は単利が4万円なのに対して、複利では約7万8000円と2倍近くもらえるようになるのです。このように考えると、単利と複利の違いがいかに大きいかわかっていただけたと思います。
対数は膨大な量の計算を簡単にするために使われる
この複利の考え方は、一見とても複雑に見えます。「元金が2倍になるのは何年後?」と言われても、そんなことどのように計算すればよいかわからないという人も多いでしょう。しかし実はこれ、高校数学で学ぶ「対数」を使えば、簡単に導き出せるのです。
対数は膨大な量の計算を簡単に行うために使われます。さきほどの問題で考えると、何年後に2倍になるかを求めるため、それを「n年後」と置きます。すると、n年間にわたって毎年元金が1.04倍されていくため、n年後には「1.04n」倍になります。よって、2倍になる年数は
1.04n=2
を解いて得られるnの値になることがわかります。これを通常の計算で求めようとすると
1年目:1.041=1.04
2年目:1.042=1.0816
3年目:1.043=1.124864
……
17年目:1.0417=1.9479
18年目:1.0418=2.025817
と、2倍になるまで計算し続けることになるため、非常に時間がかかります。ここで便利なのが「対数(log)」です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら