同知事は約1万4000票差の敗北について「思った以上の差がついた。投票率は、前回より3.77ポイント低い39.9%だった!! 投票率が4ポイント近く低下したことを見ると、今回の選挙で新人候補のブームが起こったわけではないことがよく分かる!!」と指摘。
そのうえで「最大の要因は、『本来なら現職候補を支持してもらえるはずの保守系の票』の一部が、相手候補に取り込まれたことだ!! 加えて、『無党派層からの支持』という点で、終始、新人候補に大きく水を空けられていたことも、主要な敗因の1つだろう」と分析し、「30年近い政治家としてのキャリアの中で初めて目撃した現象」と驚きを隠さなかった。
京都は福山氏が「負けても勝利」と胸張る
一方、京都市長選は、自民、立憲、公明、国民民主の4党が推薦した元官房副長官で新人の松井孝治氏が、共産党が支援した弁護士の福山和人氏と「大接戦の末の辛勝」(自民府連)を余儀なくされた。
選挙戦は4期16年務めた前市長・門川大作氏の引退表明を受け、新人5人の争いに。その中で、松井氏は、自民、立憲など4党に加え、門川氏や各経済団体、連合京都などから幅広い支援を受け、「非共産候補」として万全の態勢で圧勝を狙った。
しかし、共産党支援の福山氏に得票率で約3.5ポイント(約1万6000票)差まで迫られた。各中央紙の出口調査などでは、投票した有権者の6割超が「政治とカネ」の問題を考慮したと回答するなど、自民の裏金事件への有権者の厳しい判断が、大接戦の要因となったのは間違いない。
選挙戦序盤から防戦を強いられた松井氏陣営は「自民色を前面に出すのは逆効果」と判断し、自民執行部も党幹部の応援演説を控えた。このため、自民府連は松井氏の当選を受け「膿(うみ)を出し切って、国民の政治不信を払拭(ふっしょく)しなければならない」と厳しい表情で語った。
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