日経平均3万6000円台でも「買い」で問題ないワケ 今はあくまで4万円超に向かう大相場の一里塚
問題は、売って現金化したままで、そのあと買っていない個人投資家はどうするか、である。2月2日の日経平均の引け値3万6158円の25日移動平均上方乖離率は約2.75%と、前日に続いて3%を割れており、すでに過熱感は薄れている。「やはり3万6000円台でも買わなければならないのか」といった雰囲気が、個人投資家の間で高まっているはずだ。
相場に乗れない個人投資家へ
日経平均は2022年の大納会の2万6094円から2023年7月3日の高値3万3753円まで、約半年で7659円高という大上昇劇を演じた。今回は、昨年の大納会3万3464円に対して今年1月22日の高値3万6546円までで、今のところの上げ幅は3082円。昨年前半の予想以上の「大上昇劇相場」でも約半年で7659円高だったのに対して、今年は1カ月足らずで3082円はいかにもスピードが速すぎる。
よって、現在のように上げが一服しているのは当然なのだが、兜町の強気筋などは「まさに上げが一服している今買わなければ、相場に置いて行かれることになる」という意見だ。だが、前述のように、まだ買い切れていない個人投資家は依然多い。
筆者は前回の「今から日本株を買いたい人に勧める3つの投資法」で、とにかく日経平均のレベルを考えずに「下げたら買うという方法」と、「移動平均線との乖離率が低下したら買うという方法」などを提案した。
とくに25日移動平均線からの乖離率で言えば、1月15日の日経平均3万5901円や、1月22日の3万6546円は、乖離が+7%以上なので売りもよいが、2月に入った2日間(3万6011円と3万6158円)は乖離+2%台に低下しているので「買い」ということになるわけだ。まさに「安いところを買う」という正統派の投資家にはついていけない相場になっているが、これも相場だ。
一方、ファンダメンタルズはどうか。発表が佳境を迎えている2023年4〜12月期決算は、確かに一部では予想外の減益決算も見られた。だが、円安ドル高の影響もあり、多くの企業は増益で、全体観で見た企業業績にも問題はなさそうだ。
しかも、ここで強調しておきたいのは、上場企業が自己株買いを拡大しており、個別株の魅力が増していることだ。もちろん東証の資本効率の改善要請も背景にあるが、2023年の自己株買いは約9兆6000億円となり、2年連続で過去最高となった。また、安定配当を基本にしながらの増配など、積極的に株主還元に努めている企業も多くなっている。
前々回の「『日経平均4万円予想は保守的』と断言できるワケ」でも書いたとおり、日経平均4万円が通過点だと思っている筆者としては「株式市場は短期的に下げる日もある。しかし、買ってから下げることを恐れていては、この大相場で勝つことはできない」と申し上げたい。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら