日経平均3万6000円台でも「買い」で問題ないワケ 今はあくまで4万円超に向かう大相場の一里塚

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その影響がはっきり表れているのが、日本株に対する外国人投資家動向だ。とくに、1月第2週(9~12日)の財務省ベースでの対内証券売買契約(外国人投資家)は1兆2026億円と、昨年10月第2週以来の大量買い越しだった。

また、東京証券取引所ベースでの海外投資家も9557億円の買い越しで、昨年6月の第1週以来の大きさだった。後者は先物を含めると1兆4439億円の買い越しと、アベノミクス相場初期に匹敵、かつ昨年4月以来の規模になった。

この1月第2週の日経平均は、前日比の上げ下げを勝敗で現わすと「4勝無敗」で約2200円高となった。この大幅高に利益確定売りで対抗したのが個人投資家で、1兆0695億円を売り越して現金化を進めた。

さすがに買い越しに転じた個人投資家

では、第3週(15~19日)はどうだったか。まず財務省ベースでは2867億円の買い越し、東証ベースでも3841億円の買い越しと、連続買い越しではあったが、買いエネルギーの低下を見せた。この第3週は勝敗表では2勝3敗で、上げ幅はわずか386円だったため、市場センチメント(心理)は「大きくは下げることはなさそうだ」と思いながらも、一気に上げ一服感が蔓延した。この週も、個人投資家は1854億円の連続売り越しだった。

しかし、第4週(22~26日)は財務省ベースで7203億円、東証ベースでも4105億円の買い越しで、買いエネルギーが復活した。そして、個人投資家も2946億円の買い越しと、さすがに買いに転換した。

この第4週の日経平均は週末に3万5751円と、3万6000円を割りこんだ。だが、前半4日間は週初22日の3万6546円を高値に、3万6000円台を維持していた。どうやら、個人投資家は「3万6000円前後での買い」を納得して受け入れたようだ。

つまり、個人投資家は、上昇局面を売り上がったものの、結局はさらに高いところを買い戻したことになる。それでも、日経平均が今後4万円を超えて行くとみられる今回の相場で、高いところでも買えた投資家は、あとから振り返れば「あそこで買っておいてよかった」と思うだろう。

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