中国の原油輸入量、2023年は「ロシア産」が最大に 前年比24%増、ディスカウント価格で輸出攻勢

✎ 1〜 ✎ 1380 ✎ 1381 ✎ 1382 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
経済制裁で原油の販路を限られたロシアは、中国などに安値で輸出攻勢をかけている(写真はイメージ)

中国のロシア産原油の輸入量が、2023年にサウジアラビア産を抜いて供給国別で最大になったことがわかった。

中国海関総署(税関)が1月20日に発表したデータによれば、2023年のロシア産原油の輸入量は1億700万トンと、前年比24%増加。一方、2022年まで4年間にわたり首位の座にあったサウジアラビア産は、同1.7%減の8595万9000トンと第2位に後退した。

ロシアはウクライナへの侵攻を開始して以降、西側主要国の経済制裁を受けてヨーロッパ向けの原油輸出が困難になり、中国などにディスカウント価格で輸出攻勢をかけている。

2023年に中国が輸入したロシア産原油の平均単価は、1バレル当たり約77.3ドル(約1万1456円)だった。これは、サウジアラビア産の同約85.5ドル(約1万2671円)はもちろん、輸入原油全体の平均単価である1バレル当たり約81.64ドル(1万2099円)より5%以上安い水準だ。

「マレーシア産」輸入急増の怪

その結果、2023年の中国の原油輸入は数量ベースで大幅に増加した一方、金額ベースでは逆に減少した。海関総署のデータによれば、同年の総輸入量は5億6400万トンと前年比11%増加し、2015年にデータの公表を開始して以降の最高記録を更新。これに対して、総輸入額は3374億9400万ドル(約50兆176億円)と同7.7%の減少を記録した。

ロシアとサウジアラビア以外の原油供給国に目を転じると、2023年のランキングではイラクが第3位に入り、輸入量は前年比6.8%増の5926万トンだった。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

見逃せないのは、マレーシアからの原油輸入量が前年比53.7%も増加して5479万3000トンに達し、2022年の第6位から第4位にランクアップしたことだ。さらに、アメリカからの輸入量が同81%増の1428万7000トンに急増し、第10位に入ったことも注目に値する。

(訳注:中国が輸入したマレーシア産原油の一部には、イラン産やベネズエラ産の原油を積んだタンカーから、マレーシアの港湾で別のタンカーに移し替えたものが含まれているとの見方がある)

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は1月20日

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事