ネット検索できない情報を図書館で集める方法 質の高い情報を効率的に入手できる

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(写真:Princess Anmitsu)
「公開情報の宝庫である図書館を賢く利用すれば、誰もが専門家並みの情報も手に入れることができます」と、フリーランス司書のつのだ由美こ氏は言います。その手法について『読書が苦手だった司書が教える 世界一かんたんな図書館の使い方』より一部抜粋・再構成のうえ、ご紹介します。

公共図書館は「情報のダム」

雨が降らなくて水不足になったとき、すでに干上がった川から水を汲み上げようとしても無理ですよね。だから日本中の川にダムが造られるわけです。同じように、情報も水のように常に流れていくものなので、いざというときのためにダムに貯めておかないといけません。

図書館はまさに情報のダムです。日本でいちばん多い図書館は、地域にある公共図書館です。すべての都道府県に合計3305館あります。スパイの専門用語でも、図書館のように情報を集約する機関を「インテリジェンス・
コミュニティー」と呼んでいて、情報収集のいちばん重要な場所だとしています。

図書館は、どちらかというとアナログにかたよってきましたが、コロナをきっかけに資料のデジタル化にも力を入れています。これをデジタルアーカイブといいます。

とくに公共図書館は「情報のダム」として、地域の記録(郷土資料)を残すのが役目です。郷土資料は単なる記録ではなく、その土地で生きた人々の想いが込められた大事な歴史です。二度と手に入らないものや、世界で1つだけのものがたくさんあります。

昔の書籍、写真、地図、絵、手紙、日記、パンフレット、美術館・博物館の展覧会図録などです。著作権の関係で全部ではないですが、デジタル化された図書館の貴重な資料を見る方法をご紹介しましょう。

たとえば、ある地域の昔の写真を探したいとき、Googleで「地域名 写真」で探すとほとんど写真店の情報しか出てきません。ですから、キーワードは「地域名 デジタルアーカイブ」または「地域名 デジタル ミュージアム」と入れましょう。公共図書館によっては、デジタルアーカイブを作っていないところもあるので、デジタルミュージアムも一緒に検索すると、博物館や資料館のアーカイブも見つけられます。

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