岡山の廃線「片上鉄道」代替バスは別ルートの事情 貨物の流れから人の流れへ交通路が再編された
私は地下道を急ぎ通り抜け、7時50分発の周匝上行きに間に合った。これを逃すと次は13時発だ。10人乗りのワゴン車は途中、中学生の乗り降りなどが多少あったが、大半の区間は私だけを乗せて、吉井川沿いの国道374号を北上してゆく。運賃は、塩田出張所・塩田コミュニティハウスが境で、和気町内が200円、赤磐市内が150円で、市町境を越える場合は合算して350円になる。
塩田は和気町域だが、旧吉井町の中心地、周匝が近く、そちらとのつながりが深いとみられる。周匝にはロードサイド店なども集まる。片上鉄道にとっても主要駅の1つであった。2007年までは岡山県立備作高等学校もここにあり、鉄道・バス利用の通学もあったと思われるが、JR和気駅に近い、和気町の和気閑谷高等学校に統合された。
柵原へは直通するバス路線がない
現在、和気からバスで直通できるのも周匝まで。ここから終点の柵原まで行こうと思えば、旧柵原町営バスの流れを汲む津山・柵原・吉井線共同バス「柵原星のふる里バス」が吉井支所まで乗り入れてきているが、柵原方面行きは朝6時40分発の1便しかない。
そこで少し回り道になるが、赤磐市広域路線バスの赤磐・美作線にまず乗り継ぐ。これは赤磐市中心部から美咲町、美作市を通って、湯郷温泉経由JR姫新線の林野駅前までを結ぶ、こちらも文字通りの広域バスだ。
面白いのは、岡山市の表町バスセンター、岡山駅前から、やはり林野駅前まで走っている宇野バス2往復とは共同運行の形を取っていること。料金も共通で時刻表にも一緒に掲載されている。民間バスの一部の便(4往復分)を代替しているのだ。
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