岸田首相が派閥解散で描く「楽観シナリオ」の中身 裏金問題の「すり替え」批判で退陣の可能性も

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そもそも今回の裏金問題は、安倍派が多額のパーティー券を売り、ノルマを超えた分を「中抜き」したり、派閥から個人に「キックバック」したりして、収支報告書に記載していなかったことが発端だ。二階派、岸田派でも不記載が指摘された。一部の派閥の「違法行為」が摘発されたのであり、派閥の「存在」が問題視されたわけではない。

1月22日に公表された世論調査の岸田内閣支持率を見ると、朝日新聞が23%、読売新聞が24%で、いずれも内閣発足以来最低水準。不支持率は朝日新聞66%、読売新聞61%で、いずれも最高水準だった。

岸田首相の「派閥解散」表明で政権の勢いが回復することを期待していた首相側近たちは落胆している。有権者の多くは首相による議論の「すり替え」を見抜いているようだ。

裏金の使途については詳細に語らず

立件された谷川議員や疑惑を持たれた安倍派幹部の西村康稔前経済産業相、世耕弘成前自民党参院幹事長、萩生田光一前政調会長らが記者会見で裏金問題の経緯などを説明したが、いずれも裏金の使途などについては詳細に語っていない。

第三者機関などによる解明を進めない限り、全体像はやぶの中のままだが、岸田首相は真相解明を棚上げしたまま、派閥の問題に論点を移そうとしている。

ところで、派閥はなぜ存続してきたのか。

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