孫:僕はベーシックインカムではなく、ベーシックアセットという方法がいいと思っているんです。
たとえば同じところに住んでいるとか、同じような価値観を持っているというコミュニティのなかで共同所有するAIやロボットに働いて、稼いでもらう。そして、その利回りが共有のアセットとして、コミュニティのメンバーに渡される。
だから人間は食べるために働かなくてもいい。そういうコミュニティが世界中に、無数にできていくのが理想です。
江戸時代のように「コミュニティ」で共生していく
つんく♂:そうなったら、「あいつよりもいい服を着たい」とか「うまいものが食べたい」といった人間の本質的な欲求みたいなものはどうなるんだろう。社会主義じゃないけど「はいお米、はいお肉」といった配給みたいなイメージもします。
孫:同じものをもらうというよりは、「俺は米だ」「俺は米より酒だ」というように、供給されるものはバラバラでいいと思うんです。そしてそれを金額に換算する必要がなくなっていくと思います。
つんく♂:「人に称賛されたい」とか「すごいって言われたい」とか、そういう承認欲求みたいなものが、今はお金に換算される側面もあると思います。そういった感情の部分は、どうなるんだろう。