「犬食文化」は消えるのか?食べ歩いて見た光景 韓国国会では犬食を禁止する法律が可決された

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初めて食べる犬肉に少々ビビっていたが、肉も柔らかく臭みもなくて食べやすく、とても美味しかった。古くから食べられてきている料理なのだから、うまいに決まっている、と感心したものだ。同行したカナダ人の友人も「思っていたよりも美味しいな」と言っていた(この店は2024年1月現在もGoogle Map上では営業中になっていた)。

ソウルで犬食を提供するお店は、中国の少数民族の1つである朝鮮族とも文化的な関わりがある。2023年5月に朝鮮族が多く集まるエリアを訪れたところ、市場の数箇所で犬肉を売る店が存在しており、補身湯を出す店は少なくとも5店以上確認できた。

朝鮮族も、韓国人と同じように犬肉を食べる文化がある。このエリアにあるお店には、朝鮮族向けであったり、補身湯好きの韓国人が食べに来ているのだろう。

犬肉
ソウルのチャイナタウンでみつけた犬肉レストラン。補身湯が食べられる(写真:筆者撮影)

今回の法改正では犬肉の流通に関しても違反の対象であるため、こうした市場での卸売も表向きには見られなくなる可能性がある。

唐辛子と塩で食べるハノイの犬肉料理

犬肉は東南アジアでも、古くから食べられてきた。ベトナム・ハノイも、近年こそ政府の方針があり、提供するレストランが減ってきているものの、昔から犬肉がよく食べられている地域だ。

筆者は2018年にソウルで補身湯を食べてから、文化としての犬食に興味を持ち、同年にハノイを訪問した際に、同じように犬肉が食べられる店を探した。ベトナム語で犬肉を指す「thịt chó」をGoogleマップで検索して出てきた場所に行ったところ、現地でも犬肉を提供する店に出会えた。

ソウルで補身湯を提供していたお店は、しっかりしたレストランの店構えだったが、ハノイの店は簡易的なテーブルと小さな椅子がいくつかあるような小さな店で、店頭に丸焼きになった犬が並べられていたのが、衝撃的だった。

ハノイの店で食べたのは、焼いた犬肉を切り落とし、唐辛子と塩をつけて食べるというシンプルなもの。テーブルに置かれたレモングラスやハーブと一緒に食べるのだが、ソウルで食べたときよりも肉の臭みが強いのが印象的だった。肉の処理が甘いことが原因かもしれない。香草と一緒に食べることで、肉の臭みを緩和するということなのだろう。

犬肉 ハノイ
臭みが強かったハノイの犬肉(写真:筆者撮影)
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