SBI証券「IPO初値操作」の処分が残した2つの宿題 「顧客の取引に影響はない」では済まされない

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SBI証券の髙村社長
SBI証券は経営陣を含む責任の明確化を図ったうえで業務改善計画を策定することになる。写真は髙村正人社長(編集部撮影)

IPO(新規株式公開)をめぐる歪みと大きな課題が明らかになった。

金融庁は1月12日、ネット証券最大手のSBI証券に対し、金融商品取引法に基づく業務停止処分を行った。IPO銘柄に関し、勧誘を伴う上場日の売買受託業務を1月18日まで禁止する。さらに、経営陣を含む責任の明確化を図ったうえで業務改善計画を作り、2月13日までに提出することを求めた。

SBI証券は1月12日、「今後、より一層の内部管理体制の強化・充実を図り、再発の防止ならびに皆さまの信頼回復に向けて努める」とコメントを発表した。

初値の公募価格割れを防ぐため

今回の行政処分は、昨年12月15日に証券取引等監視委員会が公表した勧告に基づく。監視委の検査結果によると、SBI証券は2020年12月から2021年9月にかけてIPO主幹事を務めた3銘柄の上場初日の株価が公募価格を下回らないように作為的な相場形成を行っていた。

具体的には、引き受け業務を担当する常務取締役と営業を担当する役員が、上場日に予想される売り注文に見合う数量の買い注文を設定。海外の機関投資家9社とIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を通じて勧誘した一般投資家174名に公募価格指し値での注文を行わせた。これによって上場日の初値が公募価格割れするのを防いだ。

1週間の業務停止処分となったが、SBI証券の業績への影響はほとんどないのが現実だ。対象となるのはIPO銘柄の上場日における売買受託業務で、通常の株取引は対象外。そもそもこの期間に新規上場する銘柄はない。

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