震災時に底力「ドラッグ物流」スピード復旧の裏側 ドラッグ卸が3.11を教訓に出荷体制を抜本改革

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3.11を経て物流が強化された

紙おむつや生理用品、衛生用品など災害時の必需品を多数取り扱うドラッグストアは、各地域で生活インフラとしての役割が求められる。ただし店舗ごとに抱える商品在庫は限られており、卸売業者からの商品供給が生命線となる。

能登半島地震では、物流サイドも被災した。日用品や化粧品の物流を担うドラッグストア卸最大手のPALTACは、大型物流センターのRDC北陸(石川県能美市)とRDC新潟(新潟県見附市)で建屋・機器の一部損傷、商品の荷崩れなどの被害が発生した。被災エリアの物流センターが出荷不能に陥っても、ほかのセンターから代替出荷対応が可能なシステムを整えていたことでことなきを得た。

ここで生かされたのが、2011年3月11日に発生した東日本大震災での教訓だ。当時、宮城県岩沼市にあったPALTACのRDC仙台が津波に巻き込まれ、完全に出荷不能となったことを受けて全社的な見直しを行うこととなった。

2011年当時、PALTACはドラッグストアなどに対する送り先のコードをエリアごとに管理していた。そのため災害発生時にほかの物流センターから代替出荷をする際、センター間でコードが重複してしまい、商品が送れないエラーが発生してしまった。

当時の反省を踏まえて、自然災害など緊急事態時の事業継続計画(BCP)の一貫として、約5年前に各種コードを一本化することにし、2年ほどかけてコード整理を行った。全国で重複のないコード管理に移行したことで、2021年2月、2022年3月の福島県沖地震による2年連続の震災でRDC宮城が被災した際には、スムーズに代替出荷を実行することができたという。

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