「日経平均4万円予想は保守的」と断言できるワケ 2024年の高値を一体いくらに見ればいいのか
筆者は「金利が生きる経済が始まる」として2025年のひとまずの天井を目安に、昨年前半から始まっている今回の相場の中心に銀行株を置いて相場を組み立ててきた。この際、具体的な参考銘柄を出す場合は、時価総額や流動性などから、買われやすいメガバンクを中心に紹介せざるをえなかった。
しかし、今後東証は、PBRが 0.2倍台という異常に低い評価を受けたままの大分銀行、栃木銀行、秋田銀行、北日本銀行、東和銀行などの第二地銀を含む地銀に対して、どのような要請をするのだろうか。
新NISAで「高配当建設株」などが人気に
昔から、インフレ相場には建設株の活躍があった。しかも「地震国」という宿命のある日本では、社会インフラの強靭化は喫緊の問題だ。今まではどちらかというと掛け声が先行していたが、もう待ったなしだ。よって、2024年相場の中心の1つは間違いなく建設株になると思っている。
さらに、新NISA(少額投資非課税制度)の資金が「高配当建設株」人気に拍車をかけよう。配当利回り5%以上を探しても、安藤ハザマ、東洋建設、大末建設などがあり、これらの銘柄は総じてPBRも低い。また、大手ゼネコン株でも、例えば大林組は配当利回りで約3.3%、PBRも0.9倍前後だ。
一方、2023年の相場では、東証グロース市場250指数などにある新興系のグロース株は散々だった。これらの株を持って戦略を組み立てていた個人投資家にとっては、日経平均やTOPIXを中心に論じられる「2023年相場はまずまずよかった」という評価を苦々しく思っているはずだ。
しかし、筆者は2024年相場ではこうした新興系のグロース株の逆襲があると思っている。すでに信用の期日売りや節税のための「損出し売り」は昨年末で終わり、反撃態勢は整っており、大きく下げている銘柄ほど妙味があると思っている。
具体的に多くの銘柄を挙げられるわけではないが、限られた取材範囲の中では、例えば定額課金サービスの顧客管理などのプラットフォームを提供するビープラッツなどに期待している。現在は無配だが、親会社は旧第一勧銀系リース会社である東京センチュリーで、その親は伊藤忠商事だ。
もちろん、大型のグロース系の代表格である半導体関連株も依然有望だ。こちらは新興系とは違って昨年は大きく上昇したが、世界の半導体メーカーが日本にこぞって工場進出を計画、国内メーカーも日本の命運をかけて反撃に移ろうとしているときだ。次世代半導体の競争に勝たなければ、日本の未来はない。ポートフォリオから外すわけにはいかない。
今年の相場のリスクの1つとして、「年内1ドル=130円台前半の円高」を指摘する専門家も多い。だが、ソフトランディングに成功したアメリカでは、現在の4%前後の長期金利の水準から、さらに大きく低下することはないとみる。
逆に、デフレ脱却の日本とはいっても、2024年中の金利急騰もないだろう。「意外に為替市場は無風に近い状態で推移する」と予想する。よって、日本株は今年も「下げたら買いで乗り切ろう」だ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
安藤ハザマの株価・業績、大林組の株価・業績、大末建設の株価・業績、東洋建設の株価・業績、ビープラッツの株価・業績、伊藤忠商事の株価・業績、秋田銀行の株価・業績、大分銀行の株価・業績、東京センチュリーの株価・業績、栃木銀行の株価・業績、北日本銀行の株価・業績、東和銀行の株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら