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モバイルトイレ、NUKUMARU…トヨタの新たな挑戦 高齢者や障がい者、災害を「自分ごと」として

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例えば、バスなど交通機関で車いすの位置固定を短時間で行うための「車いすのワンタッチ固定」。この分野は車いす・乗用車・バスメーカーが連携して、車いす固定バーの標準化に向けたコンソーシアムを2022年4月に設立するなど、普及に向けた活動が具体的に始まっているところだ。

また、乗用車の運転席や助手席が左右に回転して乗降しやすくなる「ターンチルトシート」の普及促進や、ステアリング部にアクセルとブレーキのレバーの機能を組み込んだ「NEO Steer・ネオ ステア」をジャパンモビリティショー2023でワールドプレミアしている。

バイクハンドルをベースに、アクセル、ブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約したNEO Steer(写真:トヨタ自動車)

そのほか、「福祉タクシー」や自家用有償旅客運送による「地域の足」、そして「C+pod」や「C+walk」などの「小型モビリティ」の社会での活用がある。

本格的なミストサウナを移動式にした「NUKUMARU」

RB活動と並行して、トヨタの各部署ではMobility for Allに向けた興味深い試みがある。その中から今回は、「NUKUMARU:ヌクマル」と「ツギココ」を紹介したい。

「NUKUMARU」は、移動式の本格的なミストサウナ(蒸気浴)だ。現行モデルは、「ハイエース」を改良したもの。すでに長野県飯山市で実証実験を行っている。

長野県飯山市で実際に運行が開始しているハイエースベースのNUKUMARU(筆者撮影)

それにしても、なぜトヨタ本社がこうした発想を具現化したのか?

近年、オートキャンプの流行によって、キャンピングカー専門事業者らがハイエースなどをベースとした各種モデルを販売しており、そうした中にはシャワー設備を持つものがある。また、キャンピングカーショーなどでは、バスタブやサウナを装着するコンセプトモデルが登場することもある。

これらに対して、NUKUMARUは当初、Mobility for Allの観点から介護や介護予防を想定していた。ところが、ジャパンモビリティショー2023ではさらに発想を広げ、美容やレジャーといった分野も視野に入れたプレゼンテーションを行っており、筆者は驚いた。

公開されたプロモーションビデオは、かなりソフトなタッチで仕上げてあって、身体的には元気な高齢者が「社会とのつながり」をより感じる機会をつくるというテイストのシナリオだった。

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【「MaaSの事業化を検証するコンテンツの1つ」として】

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