その5「いざとなったら一発逆転で」
通帳にまとまったお金がない場合、多くの人は必ずこう考える。今はないけれど、一発逆転できる方法がきっとあるはず――と。新年早々夢を砕いて恐縮だが、そんな魔法はないし、あったら間違いなく金融詐欺案件だろう。
一発逆転を願う人は、すぐに結果を求めるあまり、大きめの数字に惹きつけられがちでもある。対象の店でキャッシュレス決済をすると20%のキャッシュバックがあるとか、定期預金で年0.5%もの金利がつくとか、50%オフになる買い物クーポンとか、そういうものに。
しかし、大きな数字にはたいてい条件があり、キャッシュバックやポイント還元には上限があるし、高金利定期は適用期間が1カ月だけだったりする。大きな数字はあくまで打ち上げ花火で、そんなに儲かりはしないのが現実。それでも一発逆転できる方法がどこかにあると信じ、景気のよさそうな数字に飛びついて、思うような結果を出せないうちに1年が過ぎていく。
宝くじだって、1000万円以上を手にした高額当選者の約7割は、10年以上コツコツと買い続けた人だという。買い始めて1年未満で当たったという人は5%ほどしかいない。初夢を見るのは自由だが、目が覚めて宝くじを買いに行くより、2024年の貯蓄プランを具体的に固めたほうが早道に違いない。
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