その金額が貯められるだけの家計のつじつまが合っていればいいが、そもそも「貯められない人」とは支出の割合が多い人なのだ。無理に先取り貯蓄をしても、逆に赤字に転落するだろう。
その貯蓄メソッドを我が家に置き換えたらどうなるのか、10%も貯蓄する余裕があるのか、ないなら節約してその数字に近づけるのか、それとももっと低い金額に落とすのか。我が家に合わせた答えを自力で出せる人は貯まっていく。
しかし、「この方法は合わなかったので、もっといいメソッドがあるはず」と考える人は残念な結果になるだろう。
投資でもそうだ。「儲かる銘柄を知りたい、教えてほしい」という人ほど、自分では何も調べないもの。うまくいったとしても、失敗したとしても、何も学んでいないことになる。人任せのままでは、お金だけでなく経験も知識も貯まらない。それどころか金融詐欺に引っかかってお金を減らしてしまわないよう十分注意してほしい。
その2「他人だけが得をするのは気に入らない」
誰でも損はしたくないものだが、もっと気に入らないのは自分以外の誰かが得したと知った時だ。自分が気づいていなかった〇〇ペイのキャンペーンで知人が大量のポイント還元を受けたとか、カード会員割引でラグジュアリーなホテルに安く泊まったとか、貯めたマイルだけで家族旅行に行ったとか。そういうチャンスが来れば自分も得できたはず、と思えば余計に面白くない。同じような機会が巡ってきたら、絶対に利用しようと意気込む。そのため、たくさんポイントがもらえるキャンペーンをこまめに探して参加したり、割引クーポンが届いたら必ず使う。今度こそ得をしたと満足できるからだ。
一見そう見えても、そう思いたいがための消費になっていないだろうか。そもそも売り手側は、自社サービスの利用が多い客、金払いがいい客にこそよりサービスするものだ。こんなお得なことがありますよ、という「お知らせ」もちょくちょくやってくる。その対象に入るには、自分もまめにお金を使ってあげる必要がある。気づくと受け取れる「得」以上にお金を使ってしまうだろう。他人がどんな得をしようと、それは他人の財布の話。自分の財布の防御を固めなければ、お金は貯まらない。
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