多忙で学べないと悩む人が見落とす思い込み4つ 学びのプロ直伝!稼ぎが加速する発想転換法

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多くの場合、因果関係が「忙しいから→学べない」というように見える事柄も、よく観察してみると「学ばないから→忙しい」という側面を持っていることに気がつくと思います。「忙しいから→学べない」そして「学ばないから→忙しい」という負のスパイラルは、リスキリングの初期段階から仕上げ段階まで、おもに4つの思い込みが原因となって生じます。

日常的な多忙が心の余裕と危機感を奪う

思い込みの1つ目は現業が忙しいから学ぶ必要性を感じないというものです。現在取り組んでいる仕事が日常的に忙しい状況が続くと、危機感を持つ余裕もなくなってしまいます。それゆえに、特に新しいことを学ぶ必要はないと思い込んでしまうのです。

私は多くの企業で研修を行っていますが、「忙しいから」「トラブル対応で」という理由で欠席したり、それを周りも容認しているという状況をよく目にします。学びを得られないほど忙しいことや、トラブル対応が常態化しているという状況に慣れてしまって「このままでよいのだろうか」という危機意識を持てないのです。

日本は先進国の中でも人材育成にかける費用も1人当たりの生産性も非常に低いと言われています。新しいことを学ばないまま長時間労働を続け、忙しさを理由に新しいことを学ばない、という負のスパイラルを、今こそ断ち切る必要があります。

私はリスキリングを行う前の準備として「何を」「どうやって」「いつまでに」学ぶのかを地図のように描くことをおすすめしています。そこで、私の研修では、スキルマップの作成を行うことがあります。スキルマップとは、各々の到達目標に必要な知識やスキルを洗い出して、学ぶことの全体像を把握するための地図の1つです。その作成過程で、最近ではChatGPTを使うことを推奨しているのですが、会社によってChatGPT利用に対する積極性に大きな差があります。大体以下の3パターンに分かれます。

①ChatGPT使用禁止の企業
 → 各自が必死で手作業するので時間がとてもかかります。
②ChatGPTは使用OKだけど個人に任されている企業
 → 学んでいる人とそうでない人の差が顕著に現れます。
③全員がChatGPTの使い方を学んでいる企業
 → 期待を超えるアウトプットが短時間で出てきます。
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