2. 波及
不動産セクターは経済成長のエンジンから一転して重しとなった。公式データに基づく試算では、不動産セクターの生産高は昨年3400億元減少した後、今年1-3月(第1四半期)に510億元減った。
不動産セクターの縮小は長期的には経済にとってプラスであり、より生産性の高い産業に労働力や資本を回せるようになると広く考えられている。
だが、中国恒大集団でチーフエコノミストを務めていた任沢平氏によれば、中国では不動産は60余りのセクターと関連しているため、短期的なショックは痛みを伴う。その波及効果は資源や建材などの川上の産業から、家電製品やリースなどの川下にまで及ぶ。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の推計では、15年の中国国内総生産(GDP)成長率7%で不動産関連の活動は約1.6ポイント寄与したが、昨年は約1.3ポイントの押し下げ効果として働いた。
3. 投資の低迷
販売不振は碧桂園のような不動産大手をデフォルト(債務不履行)に追い込み、他企業の支出を抑制した。不動産開発投資は22年に1兆4700億元急減すると、今年1-11月に悪化。固定資産投資を圧迫している。